糖尿病の症例5 肥満を伴う2型糖尿病を改善した28歳男性の症例

肥満を伴う2型糖尿病を改善した28歳男性の症例

症例のポイント

• 多忙により治療を自己中断し、口渇・多飲の症状が悪化
• 来院時のHbA1c9.6%、随時血糖値325mg/dl、BMI30.1
• インスリンによる糖毒性解除と管理栄養士による栄養指導を実施
• 体重86kg→64kgまで減量に成功
• インスリン・内服薬をすべて中止
• 現在も3か月ごとに血糖コントロールと体重維持のためフォロー中

患者プロフィール

28歳男性。2型糖尿病と診断され、他院で治療を受けていたが、多忙のため自己中断。数か月後に糖尿病症状（口渇・多飲）が悪化し、当院を受診した。

受診時の状態

• 主訴：口渇・多飲の症状が悪化
• 身体測定：
  • 身長：169cm
  • 体重：86kg（BMI30.1：肥満症）
• 血糖データ：
  • HbA1c：9.6%
  • 随時血糖値：325mg/dl
  • Cペプチド：3.5ng/ml
  • 抗GAD抗体：陰性
• 診断：糖尿病コントロール不良、肥満症

治療方針

1. 管理栄養士による栄養指導を実施
2. インスリンによる糖毒性解除を実施
3. 減量と生活習慣改善を並行して行う
4. 血糖コントロール改善後にインスリンの漸減を開始

治療経過

• 初期：インスリン導入により血糖値が安定し、口渇・多飲の症状が改善
• 中期：1週間に1回の製剤に変更し、減量をサポート
• 後期：8kgの減量後、最終的に64kgまで体重が減少し、インスリン・内服薬の中止に成功

現在の状態と今後の管理

• 体重のリバウンドがないか、定期的にチェックを実施
• 体重維持と血糖コントロールを確認するため、3か月ごとにフォローを継続
• 現在は薬剤なしで良好な血糖コントロールを維持

糖尿病内科