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糖尿病の症例2

糖尿病の症例2

糖尿病を専門としていないかかりつけ医の先生から糖尿病が悪いからみてほしいとご紹介いただいた方です。認知症のない73歳男性で数年前に採血で発見された2型糖尿病の方でした。かかりつけ医の先生からは「糖尿病が悪いから入院して来なさい」と言われて今藤の外来にやってこられました。

初診時の採血データは血糖値351mg/dl、HbA1c12.7%であり、一日に5Lくらいの水・お茶を飲んでいる、夜はおしっこのために1時間おきに起きて寝られないとのことでした。
今藤の外来でも「かかりつけ医の先生が言われるように入院適応です。入院して体を整えましょう」とお伝えしましたが、本人様が外来での治療を強く希望されたため、入院はせず外来のまま治療することになりました。

かかりつけ医の先生もいろいろと難渋されたようで糖尿病のお薬は3剤併用されておりました。今藤の外来ではまず糖毒性(糖尿病が悪すぎて悪い循環になっている状態)の解除を行うお薬を導入、1週間に1回の皮下注射するお薬を用いtotal2剤へ変更しました。すると1-2週間程度でのどの渇きや夜間の頻尿も改善、夜もぐっすり寝られるようになりました。
血糖値が改善した理由で一番大きいのが本人様の糖尿病に対する努力/行動です。間食をさけバランスのとれた食事を摂取するようにされたことと、血糖値がある程度落ち着いてからですが、運動療法も行いました。
薬剤の調整ですが糖毒性の解除を行いながらさらにインスリン抵抗に対する薬剤(インスリン抵抗性:肥満などの原因によりインスリンの効きが悪くなっていること)を追加、その後も薬の調整行っていきましたが本人様はのどの渇きと夜間の頻尿が止まったことに満足されておりました。

今回の方は入院の適応はありましたが、最近の糖尿病治療はいいお薬もたくさんできていますので外来でも対応できる場合が増えてきています。
ただすべての症例で入院は不要であるということはなく糖尿病教育入院での治療はその後の予後にいい影響を与えることも言われており、可能であれば入院してもらい糖毒性を解除し、また糖尿病についての知識を深め食事運動療法を体験してもらうことが大切であると思います(その他、糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧状態など緊急入院が必須な場合もあります。このような場合は外来での治療は不可能で、緊急入院が必要なのか、また外来で治療ができるのかなど担当医が判断しないといけません)。

今回の患者さんはご自身でも食事療法や運動療法をがんばってもらい、血糖値106mg/dl、HbA1c6.5%程度で経過し現在も良好な糖尿病コントロールを達成できています。

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