高血圧症
高血圧症とは
高血圧とは字のように血圧が高い状態をいいます。高血圧症はリラックスして体が休んでいるときにも血圧が高い状態のことをいいます。
血圧というのは収縮期血圧と拡張期血圧に分けられます。心臓が収縮して血液を全身に送り出すときに血管の壁に与える圧力を収縮期血圧(上の血圧)といい、心臓が拡張して心臓の中に血液を貯めようとしている時、血管の壁がもどる力で拡張期血圧(下の血圧)が生まれます。※心臓自体に流れる血液は拡張期に供給されます。
血圧というのは心臓が送り出す血液の量が多くなったり、血管の抵抗が高くなれば上がります。
例えば庭に水まきをしている時、向こうの方まで水を飛ばそうと思えば(圧力を上げようと思えば)、蛇口をひねって流れる水の量を増やし(体で言うと心臓が送り出す血液の量を増やすこと)、ホースの先をつまむ(体で言うと血管の抵抗をあげること)でしょう。そうすることで水圧を上げて向こうの草木にまで水を上げることができます。体でのイメージもそういうことです。
実は食塩をとると血液の量が上がるんです。そのため心臓が送り出す血液の量も増え血圧があがります。
高血圧症をお持ちの方は塩分を控えるように、具体的には食塩を6g未満/日にするようにと言われますが、「血液量を減らしたい」、「心臓が送り出す血液の量を減らしたい」、という気持ちがあるんですね。
また血管抵抗があがる冬は血圧が高くなりやすいです。寒くなりますので末梢の血管(心臓から遠い血管)は”ぎゅっ”と収縮し抵抗が増えます。そうなると血圧はあがります。冬になって寒くなると血圧が上がりやすくなるのはそのせいです。
そのため当院では冬は少し降圧薬を増やしたり、温かくなるとお薬を減らしたりと調整しています。
高血圧症の原因
日本人の高血圧の90%弱程度は原因がはっきりしない高血圧症、すなわち本態性高血圧症であるといわれています。本態性高血圧症は血圧が高くなりやすい体質であったり、肥満、ストレス、運動不足、飲酒・喫煙が原因で発症すると考えられています。
また原因がはっきりする高血圧症、すなわち2次性高血圧症も15%程度があると言われています。
2次性高血圧症の一つ、原発性アルドステロン症はアルドステロンというホルモンが過剰に分泌されるためにおこります。
アルドステロンは食塩を保持するためのホルモンでカリウムを犠牲にしてナトリウムを体に保持する作用があります。
人類の祖先が”海から陸で生活できるようになった”のは、このアルドステロンが食塩(塩化ナトリウム)を保持してくれるからであります。アルドステロンがあるからこそ、海から離れられたんですね。現代社会では塩分があふれかえっているためこのアルドステロンは不要のものになっているのかもしれません。
高血圧症の症状
高血圧の症状はでないことがほとんどです。血圧が高いからしんどいと言われることもありますが、しんどいから血圧が上がっていることも多々あります。
ただ高血圧緊急症という病気があり、高血圧が原因で臓器に障害が出ている場合を指します。
体の臓器は血圧の変動が多少あっても、その臓器への流れていく血液量を一定にするように、それぞれの臓器で調整する能力があります。そのため多少、血圧が高くなっても臓器に影響がでることはほとんどないのです。
しかしその調整能力を上回るくらい血圧が高くなると臓器に影響し例えば脳圧が上がったり、腎障害がでたりなど色々な悪さをすることがあります。その場合は入院下で血圧を下げていく治療をすることになります。
高血圧症の検査
高血圧症の多くは本態性高血圧症、大半の方がこのタイプです。しかしまれに、というか結構な頻度で2次性高血圧症の方がいらっしゃいます。2次性高血圧症というのは別の原因がある高血圧症ということです。
別の原因と言えば2次性高血圧症の代表格、原発性アルドステロン症ですね。そのほかにも甲状腺機能異常、褐色細胞腫などなどがあげられます。
このような2次性高血圧症の方は検査しないと分かりません。
しかも血圧のお薬を飲んでいる場合は、採血で評価ができないこともあるので、当院では2次性高血圧症のスクリーニング検査を行い、2次性高血圧症ではないと判断してから、高血圧の治療を行っています。
※2次性高血圧症のスクリーニング検査というのは血液検査と尿検査です。
2次性高血圧症が疑われる方の特徴としては、若くから高血圧と言われた、カリウムの値がなぜか低め、じっとしているのになぜか汗をかいてドキドキしてくる(場合によっては排尿した時に動悸がすると言われる患者さんもいます)、血糖値が高いなどなどです。
高血圧症の治療薬を内服されている場合は、検査データに影響しにくいお薬に一定期間かえて、そこから2次性高血圧症の検査をすることもよくあります。
高血圧の治療
高血圧症と言われた場合は食生活や運動など生活習慣の是正を行い、それだけでも血圧が下がることがあります。
ただ生活習慣をいい方向にかえても、なかなか血圧が下がらない場合があります。
そのような場合はお薬の力を借りることも一つの手段です。
どんなお薬があるのかと言えば、大体ですが4種類です(α1ブロッカーは心不全のリスクを高めるためよっぽどの場合でないと使用されなくなっています)。この4種類の中から薬剤を選択していくことになりますが、
例えば尿蛋白がでている・でていない、心拍数が早い・早くない、食塩を貯めこみやすい・ため込みやすくない、朝の血圧が高い、夜間の血圧が下がっていない・もしくは上がっているなどなど、患者さんによっていろいろなタイプがあり、薬剤の選択は多岐にわたります。
当院では患者さんに合った血圧のタイプを考え、それに応じた降圧薬の選択を行っています。
院長より
最近のガイドライン(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019)では下図のようなリスク分類が提案されています。
上の血圧が150mmHgでも基礎疾患によって低リスク、中等リスク、高リスクなどに分類されており、それぞれのリスク分類に従って対応が異なります。決まった数値で個人をみるのではなく、「この方はリスクが低いので、このくらいの血圧でいいだろう」、「この方はリスクが高いので、血圧をもっと下げておかないといけないな」など個人個人に合わせた目標をたてます。というのも血圧というのは動脈硬化の原因になり、脳梗塞、心筋梗塞、慢性腎不全など様々な病気の原因になります。これらがいったん引き起こされるとなかなか元に戻りません。
当院では患者さんの人生が幸せになることを目標にしていますので、予防できる病気がたくさんあることを念頭において、症状がないうちからしっかりと高血圧症の治療を行っています。
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