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心不全

心不全とは

心不全とは、心臓に何らかの異常があり、血液を送り出す機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。 送り出せずにたまった血液は例えば両足のむくみになったり、胸に水がたまったりと形を変えて現れます。これらにより動いたときに息切れする”労作時呼吸困難”がでて患者さんの生活に影響したりしてきます。

心臓は1分間に4-6Lの血液を全身に送り出しています。500mlのペットボトル1本をおおよそ5秒間で満タンにする速度です。すごい速さですよね 。 これほどの仕事を毎日毎日、この世に生まれてから最後の時を迎えるまで心臓はやっているのです。そのため少し心臓の機能が落ちるようなことになれば、このすさまじい量の仕事をさばくことができなくなるのは、なんとなくイメージができるような気がします。
また心不全は心臓の収縮する具合により分類されます。
収縮能が保たれている心不全”HFpEF”や収縮能が低下している心不全”HFrEF”、その中間の”HFmrEF”などですが、これらは心エコーにより分類され治療方針に影響します。

当院ではこれら心不全の分類をはっきりさせ心臓が長持ちできるよう治療を行っています。

〇心不全”HFpEF”とは

収縮能が保たれているタイプの心不全で、全身に血液を送り出す心臓の部屋”左心室”がしっかりと動いているけれど、心不全になってしまうものいいます。心臓がしっかりと動いているのに、心不全?どうして?と思われるかもしれません。実は心臓は収縮する前には血液を貯め込むために大きくなり、これを拡張といいます。すなわち心臓は拡張、収縮を繰り返していることになります。高齢にあれば拡張する能力がおちることが言われており、この拡張能が低下することにより、処理しないといけない血液をさばききれず、心不全になってしまうのです。貯めることも大事なんですね。このHFpEFは高齢者に多いといわれています。

〇心不全”HFrEF”とは

収縮能が低下している心不全を言います。収縮能?EF?それはなんですか?と聞かれたりしますが、左心室(4つある心臓の部屋の中で血液を全身に送り出す一番大切な部屋)が貯めた血液を送り出す能力のことをいいます。例えば左心室に100血液を貯めたとしましょう。この状態で心臓が1回収縮した後、左心室の中に65残っていたとします。ということは35、心臓が全身に送り出しことになります。医学用語で表現すると「EFは35%」ということになります。※EF:イーエフと呼びます。日本語で言うと左室駆出率と言います。このEF:左室駆出率が40%未満であればHFrEFということになっています。このタイプの心不全に有効な治療薬が決まっています。当院ではタイプを判断し薬物療法を導入しています。

心不全の原因

心不全の原因として多いもの

最も多いものとしては虚血性心疾患で、次に高血圧症、弁膜症の順です。ただしHFpEF(左室収縮能が保たれた心不全)の原因で多いものとしては高血圧症が多く、欧米に比べると日本は高血圧性心疾患の割合が高くなります。

虚血性心疾患

心臓に血液を送る冠動脈が詰まると心臓はダメージを受けます。これを虚血といい、これに伴う心疾患を虚血性心疾患といいます。このダメージにより心臓の機能が低下し心不全になります。

高血圧性心疾患

高血圧は心臓への負荷になります。血圧が高いと心臓はその分、力を使って血液を送り出さないといけません。心臓は筋肉でできているので負荷が大きいときと、筋肉トレーニングをするイメージですが、心筋自体が分厚くなります。分厚くなれば血液を貯めこめなくなったり、拡張能が落ちたりして、心機能自体が低下します。これにより心不全が起こってしまうのです。

弁膜症

心臓には血液を一方方向に送り出す弁が付いています。この弁に異常が起これば、”一方方向”、”送り出す”ができなくなります。”一方方向”ができなくなれば逆流症、”送り出す”ができなくなれば狭窄症という病気の名前がつきます。弁の種類は4種類、僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁があり、それぞれの弁に異常が起こると程度はありますが、心機能が低下し心不全に至ります。

心筋症

心臓の筋肉、すなわち心筋の異常でも心不全を起こします。心臓が大きくなったり(拡張)、分厚くなったり(肥大)などが起こると、心機能は低下し心不全に至ります。

心筋炎

心筋自体に炎症があったりしても心機能は低下します。心筋炎はウイルスなどが心臓に入り込み、そこで炎症を引き起こします。

先天性心疾患

生まれつきの心臓の疾患が心不全を引き起こすこともあります。心臓に穴があいている病気(心室中隔欠損症や心房中隔欠損症など)は血液が逆流し心機能自体が低下し心不全に至ることがあります。

不整脈

不整脈は大きく分けると脈が速くなる場合と脈が遅くなる場合の2種類に大別されます。脈が速い場合は心筋が活発に働かざるを得なくなり、これが続くとやがて心臓は疲弊し心不全に至ります。また脈が遅い場合も、通常は80回/分くらいでする仕事を30回/分でしないといけなくなったり、心臓の筋肉が協調して働かなくなったりして、心機能が落ち心不全に至ることがあります。

薬剤性

抗がん剤や抗不整脈薬など心臓機能自体に悪影響を及ぼすことがあり、心不全に至ることがあります。

心不全の症状

心不全の症状は動いた時の息切れやむくみです。
また横になると息苦しくて咳が出る」や「夜中に息苦しさで目が覚める」なども症状としてあげられます。

心不全の検査

診断に必要な検査は胸部レントゲン、心電図、心臓超音波です。
また血液検査で心不全の程度を見る項目を調べたり、他の臓器への影響を見ることもあります。

心不全の治療

原因によって治療方法は様々です。弁膜症や冠動脈疾患は手術やカテーテル治療で改善する場合があります。また、基本的には内服薬での治療・コントロールが必要です。

院長より

医学部の学生のとき、PVループというのを習った覚えがありますが、とても難しく感じていました。
医師になって心不全をみるようになって、このPVループがとても大切というか、心不全を理解するのにとても役に立つのを実感しています。
HFrEFになるとどのようなことをPVループで説明できるか。下図の青ラインの傾きが低下するのです(点Cが赤ラインに近づいていく)。
となるとC’がA’に近づいていく。EFというのはA’-C’/A’で表現されるのでEFが小さくなってしまいます。
気になったらお気軽にご相談ください。

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