いまふじ内科クリニック兵庫県明石市硯町  スーパーマルハチ硯町店2F
内科・糖尿病内科・循環器内科・心臓リハビリテーション・皮膚科

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循環器内科の対象となる主な疾患

CARDIOLOGY

高血圧症とは

高血圧とは字のように血圧が高い状態をいいます。高血圧症はリラックスして体が休んでいるときにも血圧が高い状態のことをいいます。

血圧というのは収縮期血圧と拡張期血圧に分けられます。心臓が収縮して血液を全身に送り出すときに血管の壁に与える圧力を収縮期血圧(上の血圧)といい、心臓が拡張して心臓の中に血液を貯めようとしている時、血管の壁がもどる力で拡張期血圧(下の血圧)が生まれます。※心臓自体に流れる血液は拡張期に供給されます。

血圧というのは心臓が送り出す血液の量が多くなったり、血管の抵抗が高くなれば上がります。
例えば庭に水まきをしている時、向こうの方まで水を飛ばそうと思えば(圧力を上げようと思えば)、蛇口をひねって流れる水の量を増やし(体で言うと心臓が送り出す血液の量を増やすこと)、ホースの先をつまむ(体で言うと血管の抵抗をあげること)でしょう。そうすることで水圧を上げて向こうの草木にまで水を上げることができます。体でのイメージもそういうことです。

実は食塩をとると血液の量が上がるんです。そのため心臓が送り出す血液の量も増え血圧があがります。
高血圧症をお持ちの方は塩分を控えるように、具体的には食塩を6g未満/日にするようにと言われますが、「血液量を減らしたい」、「心臓が送り出す血液の量を減らしたい」、という気持ちがあるんですね。

また血管抵抗があがる冬は血圧が高くなりやすいです。寒くなりますので末梢の血管(心臓から遠い血管)は”ぎゅっ”と収縮し抵抗が増えます。そうなると血圧はあがります。冬になって寒くなると血圧が上がりやすくなるのはそのせいです。
そのため当院では冬は少し降圧薬を増やしたり、温かくなるとお薬を減らしたりと調整しています。

高血圧症の原因

日本人の高血圧の90%弱程度は原因がはっきりしない高血圧症、すなわち本態性高血圧症であるといわれています。本態性高血圧症は血圧が高くなりやすい体質であったり、肥満、ストレス、運動不足、飲酒・喫煙が原因で発症すると考えられています。

また原因がはっきりする高血圧症、すなわち2次性高血圧症も15%程度があると言われています。
2次性高血圧症の一つ、原発性アルドステロン症はアルドステロンというホルモンが過剰に分泌されるためにおこります。
アルドステロンは食塩を保持するためのホルモンでカリウムを犠牲にしてナトリウムを体に保持する作用があります。

人類の祖先が”海から陸で生活できるようになった”のは、このアルドステロンが食塩(塩化ナトリウム)を保持してくれるからであります。アルドステロンがあるからこそ、海から離れられたんですね。現代社会では塩分があふれかえっているためこのアルドステロンは不要のものになっているのかもしれません。

高血圧症の症状

高血圧の症状はでないことがほとんどです。血圧が高いからしんどいと言われることもありますが、しんどいから血圧が上がっていることも多々あります。

ただ高血圧緊急症という病気があり、高血圧が原因で臓器に障害が出ている場合を指します。
体の臓器は血圧の変動が多少あっても、その臓器への流れていく血液量を一定にするように、それぞれの臓器で調整する能力があります。そのため多少、血圧が高くなっても臓器に影響がでることはほとんどないのです。
しかしその調整能力を上回るくらい血圧が高くなると臓器に影響し例えば脳圧が上がったり、腎障害がでたりなど色々な悪さをすることがあります。その場合は入院下で血圧を下げていく治療をすることになります。

高血圧症の検査

高血圧症の多くは本態性高血圧症、大半の方がこのタイプです。しかしまれに、というか結構な頻度で2次性高血圧症の方がいらっしゃいます。2次性高血圧症というのは別の原因がある高血圧症ということです。
別の原因と言えば2次性高血圧症の代表格、原発性アルドステロン症ですね。そのほかにも甲状腺機能異常、褐色細胞腫などなどがあげられます。
このような2次性高血圧症の方は検査しないと分かりません。
しかも血圧のお薬を飲んでいる場合は、採血で評価ができないこともあるので、当院では2次性高血圧症のスクリーニング検査を行い、2次性高血圧症ではないと判断してから、高血圧の治療を行っています。
※2次性高血圧症のスクリーニング検査というのは血液検査と尿検査です。

2次性高血圧症が疑われる方の特徴としては、若くから高血圧と言われた、カリウムの値がなぜか低め、じっとしているのになぜか汗をかいてドキドキしてくる(場合によっては排尿した時に動悸がすると言われる患者さんもいます)、血糖値が高いなどなどです。

高血圧症の治療薬を内服されている場合は、検査データに影響しにくいお薬に一定期間かえて、そこから2次性高血圧症の検査をすることもよくあります。

高血圧の治療

高血圧症と言われた場合は食生活や運動など生活習慣の是正を行い、それだけでも血圧が下がることがあります。
ただ生活習慣をいい方向にかえても、なかなか血圧が下がらない場合があります。
そのような場合はお薬の力を借りることも一つの手段です。

どんなお薬があるのかと言えば、大体ですが4種類です(α1ブロッカーは心不全のリスクを高めるためよっぽどの場合でないと使用されなくなっています)。この4種類の中から薬剤を選択していくことになりますが、
例えば尿蛋白がでている・でていない、心拍数が早い・早くない、食塩を貯めこみやすい・ため込みやすくない、朝の血圧が高い、夜間の血圧が下がっていない・もしくは上がっているなどなど、患者さんによっていろいろなタイプがあり、薬剤の選択は多岐にわたります。

当院では患者さんに合った血圧のタイプを考え、それに応じた降圧薬の選択を行っています。

院長より

最近のガイドライン(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019)では下図のようなリスク分類が提案されています。
上の血圧が150mmHgでも基礎疾患によって低リスク、中等リスク、高リスクなどに分類されており、それぞれのリスク分類に従って対応が異なります。決まった数値で個人をみるのではなく、「この方はリスクが低いので、このくらいの血圧でいいだろう」、「この方はリスクが高いので、血圧をもっと下げておかないといけないな」など個人個人に合わせた目標をたてます。というのも血圧というのは動脈硬化の原因になり、脳梗塞、心筋梗塞、慢性腎不全など様々な病気の原因になります。これらがいったん引き起こされるとなかなか元に戻りません。

当院では患者さんの人生が幸せになることを目標にしていますので、予防できる病気がたくさんあることを念頭において、症状がないうちからしっかりと高血圧症の治療を行っています。

脂質異常症とは

脂質異常症(高コレステロール血症)というのは字のように血液の中のコレステロールの値が高いことをいいます。最近では高コレステロール血症というよりは脂質異常症という方がメインになってきていますが、もとは同じです。

コレステロールというものは、ざっくりいうとHDL、TG(中性脂肪)、LDLなどなどがあげられます。特にこのLDLコレステロールは悪玉コレステロールと言われており冠動脈疾患(心臓の血管で極論ですが、これが狭くなれば狭心症、つまれば心筋梗塞になります)や脳の中の血管に対して動脈硬化を引き起こします。
またsmall dense LDLも”超”悪玉コレステロールというのも有名です。しかしまだこれを直接測定することは保険内ではできず、日常診療では行いません。
ただしLDL windowで予想したり、また中性脂肪が高かったり、糖尿病、虚血性心疾患、メタボリックシンドローム、脂肪肝、慢性腎臓病などを合併される方に超悪玉コレステロールが高いことがいわれていますので、その場合はしっかりとコレステロールの治療を行っていく必要があります。

脂質異常症の原因

  • 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高くなる原因には、まず第一に食事中の飽和脂肪酸のとりすぎがあげられます。
    飽和脂肪酸は常温で個体の油と思ってもらえればおおむね間違いはないです。
    例えば肉の脂身(霜降り肉の白い箇所。バラ肉、ひき肉、鶏肉の皮などなど)、バター、ラード、生クリームなどにも含まれます。カカオ・パーム油(チョコレートやインスタントラーメンに使われます)にも含まれています。常温でさらさらの油は一般的には不飽和脂肪酸といって体に必須な脂肪酸も含んでおり、良い油とされています。
  • また中性脂肪(TG/トリグリセリド)が高くなる原因には、食べ過ぎ(エネルギーのとりすぎ)、特に甘いものや油もの・酒・糖のとりすぎです。
    砂糖の入ったソフトドリンクを飲む習慣のある人も中性脂肪が高くなる傾向があります。これらの摂取をさけ、運動や体重を減らすことで、中性脂肪を下げることができます。
    また背の青い魚に多く含まれる油には中性脂肪を下げる働きがあります。漁師さんなど漁港に近い方はたくさん魚を食べるので、中性脂肪が低く、HDLコレステロールが高い傾向にあったとの報告もあるくらいです。

脂質異常症の症状

高コレステロール血症(脂質異常症)の自覚症状はほとんどでません。
例えば胸が痛くなったり、手が動かなかったり、話しにくかったりと自覚症状がでた場合、狭心症/心筋梗塞や脳梗塞などに至っていることがあります。そのようなことになれば、ことが大きくなります。コレステロールをしっかりと管理してあげることで、未然に防ぐ病気がたくさんあります。

また症状というよりは身体診察でみられる所見もあります。コレステロールがずっと高い方は目の角膜というところ、顔、手、アキレス腱などに特徴的な所見がでることがあります。

脂質異常症の検査

コレステロールの検査は血液検査です。また家族性高コレステロール血症という病気がありますが、これを疑った場合は問診に加え、アキレス腱のレントゲンを追加して検査することもあります。

脂質異常症の治療

脂質異常症(高コレステロール血症)の治療薬はたくさんあります。しかもこの脂質異常症についても個人個人のリスクに応じて治療目標が決まっています。
例えば心臓の血管が悪いのか否か、糖尿病があるか、腎臓が悪いか、脳梗塞になったか、足の血管が細くなっていないか、タバコを吸っているか、血圧が高いか、善玉コレステロール(HDL)が低いか、心臓の血管の病気をご家族の方がしているか、年齢がいくつか、男性か女性かなど、それぞれを考慮し、「この方にはこのくらいの値になるまで悪玉コレステロールをさげないといけないな」など個人個人に応じて目標値を設定していきます。

脂質異常症の治療薬もたくさんあります。有名どころは、何とかスタチンとスタチン系のものですが、その他にエゼチニブ、n-3系製剤、ブロブコール、トコフェロールなどなどたくさんありますが、「この疾患をお持ちの方にはこの薬剤!」などそれぞれに応じて使用すべき薬剤も違うんです。

当院では患者さんの病態/背景に応じて管理目標値の設定や薬剤選択などを行っています。

院長より

脂質異常症(高コレステロール血症)と虚血性心疾患(心臓の血管が狭くなったり、閉じてしまったりする病気)は切っても切れない関係です。
冠動脈疾患になってしまえば次の冠動脈疾患を起こさないように、しっかりとコントロール目標を立てないといけないし、冠動脈疾患を起こされる前段階(何ともなく元気な時)にも、糖尿病、高血圧、喫煙などの基礎疾患があれば、それに応じた目標値があります。

当院は患者さんの人生が幸せになるようにを目標にしていますので、未病に防げる病気があるなら、そのリスクをお伝えし、どのようなことが患者さん自身でできるのか、治療が必要になればどのようなお薬があるのかなどをお伝えし予防医学にも力をいれています。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に息が止まってしまう病気です。
その結果、起きた時に頭痛がしたり、体がだるかったり、日中眠たかったりなど、さまざまな症状が表れます。
さらにこの病気は、高血圧、糖尿病などの生活習慣病と密接な関連があり、放置しておくと心筋梗塞や脳卒中など循環器系の病気を発症する危険があることがわかっています。

睡眠時無呼吸症候群の原因

主な原因は、肥満、顎が小さいことや扁桃肥大などの空気の通り道が狭くなっていることです。 これが睡眠中ふさがってしまい、いびき、無呼吸が起こります。
また脳血管障害(脳梗塞、脳出血)や心不全などにより、『息を吸いなさい』という命令が停止することにより、寝ている際、無呼吸になる場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群の症状

良質な睡眠がとれないために目覚めが悪く、昼間に強烈な眠気やだるさが生じ、集中力が低下します。
さらにはお薬ではなかなかコントロールが難しい高血圧症の方も、調べれば睡眠時無呼吸症候群が発見されることがあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査

寝ている間に呼吸が止まっていないかチェックする機械を付けてもらい寝てもらいます。
業者の方がご宅まで届けてもらい使い方を丁寧に説明します。

まずは当院まで相談してください。

睡眠時無呼吸症候群の治療

適応があれば就寝中、空気を送り込む機械を使用します。 慣れるのに時間がかかりますが、この機械/CPAPをつけると日中の眠気がなくなったり、血圧が下がったりと、 しっかり寝ていることの大切さを実感できます。

院長より

当院では睡眠時無呼吸症候群の検査も積極的に行っています。
血圧が下がらない患者さんをしっかりと寝られるようにしてあげるだけで血圧が下がったり日中の眠気が改善され仕事の効率があがったりと、いろいろな面で良いことがあります。

まずは、治療適応があるか無いかだけでもチェックしましょう。

循環器に関するよくあるご質問

Q.循環器科ではどのような病気を診るのでしょうか?

高血圧症、脂質異常症が多いですが、ペースメーカー留置されている方や虚血性心疾患、狭心症、心筋梗塞後、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、動脈瘤等の心臓および血管に関係する疾患が対象です。

Q.どのような症状で循環器科を受診することが多いのですか?

胸が痛い、動くと息切れがする、どきどきする、足が浮腫んできた、気を失った・失いそうになったなどで受診されることが多いです。また、健診で血圧やコレステロールの値が高いと言われたり、心電図異常を指摘されて来院する方が多いです。

Q.「生活習慣病」と言う言葉を聞きますが教えて下さい。

「生活習慣病」とは食生活、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が大きく関与する病気のことです。これまで「成人病」と呼ばれていました。

Q.「生活習慣病」にならないためにはどうすればいいですか?

生活習慣病を予防するためには、栄養やカロリーのことを知り、バランスのとれた規則正しい食事で、太り過ぎないようにカロリーの摂り過ぎに注意する。体力にあった適度な運動を行う。アルコールを飲むなら適量を守り、たばこはやめる。十分な休養を取り、ストレス解消に心がける。などです。言葉でいうのは簡単ですが。。。

Q.どんなことが血圧をあげるのでしょうか?

食塩・アルコールの過剰摂取、肥満、喫煙、ストレス、運動不足などが血圧を上げる要因になります。

Q.アルコールは飲んではいけないのですか?

厚生労働省は「健康日本21(第一次)」の中で「節度ある適度な飲酒」を提案しています。節度ある飲酒とは1日平均純アルコールで20g程度で大体ですが、「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。

Q.妊娠中の血糖や血圧について相談できますか?

はい、相談してください。
妊娠中の血糖値については管理目標がガイドラインで決まっていますし、基本的に内服薬は中止しないといけません。
分割職などで対応しますが必要な場合はインスリンを用いて血糖コントロールを行う必要があります。専門的な対応が必要になることもありますので、当院まで相談してください。
また血圧については妊娠中使用してはいけない降圧薬がたくさんあります。もし血圧の治療薬を飲んでいれば胎児に影響することがあります。この場合は変更が必要ですので当院まで相談してください。

Q.糖尿病のお薬を飲み始めると、ずっと飲み続けないといけませんか?

そんなことはありません。
ダイエットなどで減量した場合、まれですが糖尿病が治ることがあります。その場合は糖尿病のお薬をやめることになります。
またお薬の副作用で糖尿病になってしまった場合や、その他の原因(クッシング症候群、妊娠など)にきちんと対応できれば、お薬を中止することも、よくあります。

Q.栄養相談は受けられますか?

受けられますので、お気軽に相談してください。